相対概念の学習

研究概要

「大きい」や「明るい」,「手前,奥」などの概念は,参照点を基準とした相対的な概念です.参照点を明示せずとも,人の発話から自動的に参照物を推定しながら,相対位置概念を学習する手法を開発しています.

背景と目的

「大きい」や「明るい」といった形容詞,「手前,奥」などの位置概念は,「(〇〇より)大きい」や「(〇〇の)手前」など基準(参照点)からの相対的な量を表す概念です.

人の発話は非常に雑で,必ずしも参照点が明示されるわけではないため,相対概念を学習するためには,場面毎に参照点を推定しながら柔軟に学習するアルゴリズムが必要になります.

アプローチ

我々は「前・後・左・右」,「手前・奥」といった相対位置概念を対象に研究を進めています.

参照点の候補となる物体が複数ある環境で,人は,参照点を直接明示せずに位置を表す単語だけをロボットに教示します.

この過程を確率モデルとして定式化し,EMアルゴリズムやギブスサンプリングを用いて,参照点の推定と概念の学習を同時に行う手法を提案しています.

連続音声からの相対位置概念学習

「この場所はテレビの右です」などのように,単語区切りの無い音声から,位置を表す単語や,物体を表す単語を学習する手法の開発を進めています.

文献情報
  • Rikunari Sagara, Ryo Taguchi, Akira Taniguchi, Tadahiro Taniguchi, Koosuke Hattori, Masahiro Hoguro and Taizo Umezaki, "Mutual Learning of Relative Spatial Concepts and Phoneme Sequences using Spoken User Utterances," IROS2018 Workshop "Mo-WS9: Language and Robotics," 2018 [PDF]

  • 相良 陸成谷 志翔田口 亮服部 公央亮保黒 政大梅崎 太造,「MCMCサンプリングを用いた発話からの相対位置概念学習」,第32回 人工知能学会全国大会JSAI2018, 1N1-01,2018 [PDF]